女王蘭

作者:新堂冬樹祥伝社

  • あらすじ

キャバクラを描いた「黒い太陽」の続編で、立花と藤堂が再び登場する。
立花は藤堂に宣戦布告し、「フェニックス」を歌舞伎町のドル箱店にのしあげる。
この店に主人公の優姫がキャストとして入店する。優姫には目的があった。
父のラーメン屋をだまし取り、自殺に追い込んだ藤堂に復讐すること。
そのために立花の店でナンバーワンキャストになろうとしていた。
だが、「フェニックス」には藤堂の店から引き抜いた冬海がカリスマとして君臨。
優姫は様々な手を使い、冬海を追い抜こうとするが、彼女の壁は厚かった。
そんな女性たちの争いが続く中、立花と藤堂は卑怯な暗闘を繰り返していた。
立花は優姫可能性を見出し、切り札に使うことを決める。

  • 感想

主人公は優姫だが、内容はあくまで立花と藤堂の闘いの続編だった。
新堂ノワールの中ではソフトで、互いの出し抜きもぬるいと感じた。
そんな中で極めつけの卑劣漢である「毒蟲」の鷹場英一が登場する。
小説としては完全に間違った方向に進みそうな雰囲気にわくわくした。
だが、単なる端役としての扱いだったので、落胆した。
この作家は、女性を描くのはあまり上手くない。だから優姫を主人公にした時点で失敗だな。
でも、新堂作品は甘ったるいものは別にして、無条件で読みたくなる。
鷹場の新作品も読みたいし、得意の闇金融などの暗黒小説に戻ってほしい。
この小説も一気に読めたし、面白かったので悪くはないのだが。

女王蘭

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