怪物が覗く窓

作者:吉村達也集英社文庫

  • あらすじ

東大出身のエリートを父に持つ良太は、高校を中退し、家に引きこもるようになる。
引きこもりを始めて3年後、向かいの家に若い女性が引っ越してきた。
彼女に声をかけようと、3年ぶりに家を出て、ストーカー行為を始める。
隣家の女性の玲美は、おどおどと声をかけてきた良太に親身に接する。
だが、数日後に近所の公園で喉を切り裂かれ、殺害されてしまう。
警察は良太を逮捕し、父親の優一は弁護士の向井に弁護を依頼する。
良太と接見した向井は、自白したにも関わらず、良太の無実を確信する。
さらに依頼人の父親に不信感を抱き、相棒のルポライターと調査を始める。

  • 感想

多作な割には面白い作品が少ないので、あまり期待せずに読んだが、そこそこ面白かった。
引きこもりになる良太と暴君である父優一との家族関係。
隣家の玲美の複雑な家庭事情が徐々に明かされ、犯人の姿に翻弄される。
非情な優一に対する向井の追及も見どころの一つではある。
ただ、やはりそこそこ面白いという感想しか持てなかった。
人物描写の底が浅いというのが感想だが、時間つぶしには最適。

怪物が覗く窓 (集英社文庫)

怪物が覗く窓 (集英社文庫)