2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ガール

作者:奥田英朗|講談社 30代OLの悩み、焦りながら生きていく様を描いた短編集。 管理職に抜擢され、年上の男性が部下についたことに悩み、 結婚を半ば諦め、マンションを買うことに悩み、 ナンパされない年齢になったことに悩み、 バツイチ子持ちという立…

失礼な店

土曜日の夜、九段の坂の上は、空いている店が少ない。 ある中華料理屋で、夕食をとることにして、天津飯を注文した。 「天津飯だけですか?」 だけって何だ? 「時間がかかりますが?」 気に障る言い方をするなあ。 店は混んでいた。料理が運ばれてくるまで…

ベルカ、吠えないのか?

作者:古川日出男|文藝春秋 犬達が駆け抜けた現代世界史。独特の文体と繰り返される言葉。 第二次大戦のキスカ島で日本軍に置き去りにされた4頭の軍用犬の話から始まる。 アメリカ軍に鹵獲された犬達はその後、バラバラとなり、世界各地に子孫を残す。 ア…

別れの言葉

プロジェクト終了の打ち上げがあった。今回でお別れの人も何人かいた。 仕事を続けていると、出会いと別れの繰り返しで、節目の宴会は面倒だ。 宴会の締めで、今回でお別れのメンバー達の湿っぽい挨拶が続く。 それを受けて、挨拶を求められ、「あー、どうも…

車に乗る

東京に出てきてから、乗り物に乗ることが極端に少なくなった。 たまに地下鉄に乗るが、ほとんどは自転車か徒歩だ。 今日、仕事で、同僚の運転する車の助手席に乗った。 昼間に車に乗るのは、この3年で2回目のことだ。何だか楽しい気分だった。 色んなナン…

キタイ

作者:吉来駿作|幻冬舎 第6回ホラーサスペンス大賞受賞作。これは不気味で、面白かった。 過去に友人の葛西を死なせてしまい、彼を生き返らせる儀式を行った同級生たち。 18年経った現在、儀式に参加した8名は皆、精神を病み、亡霊に怯える日々を送ってい…