アパリション

作者:前川裕|光文社
予備校講師で、ミステリー作家の矢崎には、同じく作家を目指す兄がいた。
兄は定職につくこともなく、小説を書き上げることもなく、姿を消してしまう。
矢崎の勤める予備校では、人気講師同士の諍いがあった。
そのころ都内では、旦那が逮捕されたので、保釈金の支払いを持ちかける偽刑事が現れていた。
直後にその世帯の夫婦は失踪してしまう事案が、連続して発生。
警察が捜査に乗り出し、それぞれの夫婦が失踪直前に電話がかかってきていたことを公開する。
その音声は、矢崎の兄に酷似していた。
予備校の同僚から、彼の妹夫婦に同じようなケースが起きていることを知った矢崎は、相談に乗る。
直後に同僚講師の生徒に対するセクシャルハラスメントが表面化し、その講師は行方不明になる。
矢崎は知り合いの刑事と共に、捜査に乗り出すが、兄は死んでいると考えていた。


前作が面白かったので、本作も単行本を購入。
第3者でありながら、犯罪者の悪意に巻き込まれていく。
この雰囲気の描き方が上手い。中毒性を感じさせるスリリングな展開にはまった。
だが、3作とも同じようなシチュエーション。
本作も面白いのだが、前作と展開が似ていて、続けて読んだので、ちょっと混乱した。


アパリション

アパリション