永遠のディーバ

作者:垣根涼介新潮文庫
リストラ代行業に勤める村上真介が主人公の4作目。
リストラの対象となった人たちに退職を勧めるための面談を行う。
結構シビアな展開なのだが、結末は希望を与える内容になっている。
「勝ち逃げの女王」は航空会社のキャビンアテンダントがターゲット。
「ノー・エクスキューズ」は真介の会社の社長が、過去に証券会社でリストラを行ったその後のOBの話。
「永遠のディーバ」は楽器の会社で、過去にミュージシャンになり損ねた中間管理職の話。
「リブ・フォー・トゥデイ」はバイト上がりのファミレスのスーパー店長の話。


リストラのターゲットとなった人は、最初は会社に対して恨み節。
でも、それなりの結果や希望を持ち、職場を離れていく。
現実はそんなことはなく、再就職もままならないまま、路頭に迷う人が多いと思う。
逆恨みをされて、真介に危害を加えようとする人もいるだろう。
リストラに身の覚えにある人には、何の希望もないストーリーだが、面白かった。