七つの会議

作者:池井戸潤日本経済新聞出版社
東京建電は、家電の大手メーカーのソニックの子会社で、住宅関連の商品を扱っている。
若くして営業一課の課長になった坂戸は、課内の引き締めのため、年長社員の八角に辛く当たる。
八角はやる気がなく、外部から見れば当然だと思われたが、八角からパワハラで告発される。
だが、社内のジャッジは八角を認め、坂戸は総務部付に追いやられる。
冒頭から意外な展開だが、次の話はねじ工場の相続の話に移り、これも興味深い。
また話は東京建電に戻り、社内で不倫をしている女性が、社内改善の提案をする話となる。
なんだかまとまりのない展開だが、それぞれが面白い。
ストーリーが進むにつれ、東京建電の不祥事隠しが明らかになっていく。


保身のため、不祥事をもみ消そうとする取締役たち。
彼らの若く理想に燃えている日々がモノローグ的に描かれ、それが現在の残酷な悔恨となる。
勧善懲悪的なストーリーだがべたではない。面白かった。


七つの会議

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