刑事さん、さようなら

作者:樋口有介|中公文庫
文庫本裏書
「結婚したい女ができた」と明かした十日ほど後、警官が自宅で首を吊った。
その二日後、河原で風俗ライターの死体が見つかる。
後輩の自殺に疑問を抱き独自に聞き込みを続けていた警部補・須貝は、二つの不審死をつなぐ「女A」の存在に行き着くのだが。
「善人の罪科」と「悪人の正義」が交錯する。美しくも哀しき愛の物語。


北関東の刑事・須貝は一見正義感にあふれた刑事だが、署内の調整にも長けている。
玉の川口で焼肉屋に住み込みで働く好男は、知恵遅れ気味だが、周りの人に好かれていた。
好男が保護した風俗嬢を巡り、須貝と好男の行動が交差する。
警察組織を守るため、裏工作に乗り出した須貝は、好男がかくまっている風俗嬢に迫る。
須貝と好男の視点で交互に描かれストーリーは進む。


結末は少し後味が悪いが、意外な展開で面白かった。