熱愛

作者:香納諒一PHP文芸文庫
元刑事の鬼束は、新宿で探偵まがいの仕事をして、糊口を凌いでいた。
ある日、ヤクザの二男坊の仁科英雄が訪ねてきて、「兄を殺害した犯人をさがしてほしい」と依頼を受ける。
刑事を辞めた年に、仁科組の跡継ぎが、暗殺者に殺害され、迷宮入りした事件だった。
印象深い事件だったので、英雄の報酬につられて、協力することにした。
ところが、暗殺者の手掛かりとなる男を拉致し、暴走した英雄がその男、安城を射殺してしまう。
暗殺者「ミスター」の手掛かりが無くなったかに見えたが、英雄の自閉症の弟、大輝が思わぬ能力を発揮する。
大輝はネットによる情報収集能力を駆使し、安城と「ミスター」のつながりを突き止めていく。


そんな中「ミスター」は、仁科組と敵対する組の幹部を殺害する。
その現場を目撃した鬼束は、「ミスター」が女性であることを知る。
「ミスター」に迫る鬼束だが、返り討ちに会い、殺されそうになる。


「ミスター」謎に迫るポンコツ三人組と、「ミスター」の秘められた過去が徐々に明らかになる。
同時に、鬼束と英雄と大輝は、命を狙われるようになる。


この作家の描くストーリーは面白く、本編も一気読みができる。
もう少し、評価されてもいいのだが。


熱愛 (PHP文芸文庫)

熱愛 (PHP文芸文庫)