ブラッドバス

作者:深見真|徳間文庫
文庫本裏書
俺たちが揃えばだれにも負けない。
互いの力を信頼し合う自衛官の入江とヤクザの坂爪。
ある日、坂爪が結婚すると言う。
さらに、ヤクザから足を洗って中国に永住するのだと。
これを機に離れた二人だったが、約1か月後、坂爪の携帯から入江へ一通のメールが届く。
急遽中国に向かう入江。
だが、そこはすでに戦場と化していた。
二人の運命が交錯したとき、血なまぐさい暴力の連鎖が始まる。


入江と坂爪は中学生のころからの腐れ縁だった。
常に暴力的な衝動に駆られていた入江は地元の不良に対して、暴力事件を起こす。
そのとばっちりを受けた坂爪だったが、友情は変わらなかった。
入江は自衛隊に入隊し、ソルジャーとしての適格を認められる。
非公式にアフガニスタンの戦場に派遣され、アメリカの特殊部隊と行動を共にする。
散々な目にあったが、人殺しは自分の性にあっていると気付く。
高校をドロップアウトした坂爪はヤクザになり、武闘派として頭角を現していく。
だが、台湾で出稼ぎの中国人女性を助け出し、妻にすることを決めた。
坂爪が中国に行く前に、入江はアフガニスタンの戦場から戻り、二人は再開する。
何かあった時にはお互い助け合うことは、言葉をにしなくても変わらなかった。
坂爪が結婚して向かった先は、汚職と現地の暴力組織が凌ぎを削っていた。
トラブルに巻き込まれ、坂爪は消息を消す。
入江は自衛隊を休職中にもかかわらず、坂爪のために中国に飛ぶ。
紛争地で再開した二人は、現地の有力組織を持ち前の戦闘力で壊滅に追い込んでいく。
坂爪を慕う舎弟の千石もいい味を出しており、面白い作品だった。



ブラッドバス (徳間文庫)

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