海王伝

作者:白石一郎|文春文庫
20年以上前に直木賞を取った作品の続編。


文庫本裏書
海と船への憧れを抱いて対馬で育った笛太郎は海賊船黄金丸の船大将となってシャムを舞台に活躍する。
バンコクは明国の海賊マゴーチの本拠地。
マゴーチは笛太郎の実父だが、笛太郎が異母弟をを殺したことから、親子の宿命的な対決となる。



前作で大将の小金吾を失い、船大将となった笛太郎は、南を目指すが、熊野灘に流されるところから始まる。
熊野で、獣と会話ができる牛之助と出会い、再び南洋を目指す。
琉球で明との交易はむつかしいと聞かされ、独自の流通ルートを探るが、明の海賊に絡まれる。
シャムに入国し、日本人町ビルマの皇太子と出会い、新たなルートを模索する。
だが、マゴーチと対決することは避けられない。


この作品も面白かったが、前作に比べると、ちょっと落ちる。
冒頭の唐突な牛之助の登場のシーンは読みごたえがある。
その後、牛之助が笛太郎の仲間となり、南の島に向かうのだが、前半の盛り上がりに比べ、後半はちょっと期待外れ。

海王伝 (文春文庫)

海王伝 (文春文庫)