太陽は動かない

作者:吉田修一幻冬舎文庫
文庫本裏書
油田開発利権争いの渦中で起きた殺人事件。
産業スパイ組織AN通信の鷹野一彦は、部下の田岡とその背後関係を探っていた。
目的は機密情報を入手し高値で売り飛ばすこと。
商売敵のデイビッドと謎の美女AYAKOが暗躍し、ウイグル過激派による爆破計画の噂もあるなか、田岡が何者かに拉致された。
息詰まる情報戦の末に、巨万の富を得るのは誰か?


中国を舞台にしたスパイ小説で、今まで濃密な人間関係を中心に描いてきた作者の新境地。
鷹野も田岡も一定時間に消息を絶つと、胸の爆弾が爆発するようにセットされている。
次作もありそうな雰囲気だが、作者にそのつもりはあるのかな?
命をやり取りをするシーンはスリリングだが、この手の展開が得意な作家はたくさんいる。
作風が変わったのかと戸惑うが、ストーリーは面白かった。



太陽は動かない

太陽は動かない