築地ファントムホテル

作者:翔田寛講談社文庫
文庫本裏書
明治5年に焼失した日本初の西洋式ホテル「築地ホテル」。
その焼け跡から宿泊客の刺殺体が発見された。
謎を追うのは、クリミア戦争アロー号事件など、歴史的報道写真を残した英国人写真家、フェリックス・ベアト。
日本人助手とともに捜査を始めた彼は、二重三重に張られた罠の先に、驚愕の真相を見た。



築地ホテルで殺害されたのは、阿漕な商売をしている外国人だった。
ベアトは、同宿している外国人に聞き込みをするが、甲冑を纏った武者を見たという。
新政府に協力するため、調査をすすめるが、一方的に拒絶される。
ベアトは日本人の旗本の倅と、事件の謎を追う。
すると、明治政府の権力争いと、それに金を流す汚職に突き当たる。


西南戦争の前後って、時代は進んでいたはずなのに、意外と知らないことが多い。
日本が薄暗かった時代だ。そういうところにポイントを当てていたので、面白かった。
ただ、読み終わると、地味な作品という印象。


築地ファントムホテル (講談社文庫)

築地ファントムホテル (講談社文庫)