デッドマン

作者:河合莞爾|角川文庫
都内で発生した連続殺人事件。
最初は頭部が持ち去られていた。次の事件は胴体、次は足。
警視庁は捜査本部を立ち上げるが、死体となった人物から手紙が届く。
被害者の遺体から持ち去られた部位で、つなぎ合わされて蘇生したという。
狂言として処理されそうになったが、捜査本部の鏑木警部補はこの手紙を捜査し始める。
ストーリーは鏑木チームの地道な捜査と、デッドマンの幻想的な記述。

50年近く前に施術されたロボトミーと、医師の不正。
復讐を誓う遺族と、過去の汚点を隠してのし上がった政治家。


今風の警察小説に、死体改造という古典的なミステリがうまくマッチしている。
島田荘司占星術殺人事件のオマージュにも序盤は思えたが、内容は異なる。
横溝正史ミステリ大賞受賞作。この賞は低レベルだと思っていたが、これは面白かった。
次作も期待。



デッドマン (角川文庫)

デッドマン (角川文庫)