春から夏、やがて冬

作者:歌野晶午|文春文庫
地方のスーパーで保安係を務める平田は、万引犯の末永ますみを捕まえた。
だが、亡くなった娘と同じ昭和60年生まれであることを免許で確認し、解放する。
ますみは自堕落な生活を送っており、同棲相手からDVも受けていた。
ますみは平田に接近するが、平田も過去に傷を負っていた。
以前、平田は全国展開するスーパーでエリートコースに乗っていた。
だが、高校生の娘がひき逃げに会い、死亡。妻も自責の念から自殺をしてしまう。
出世にも興味を失くし、絶望した平田は、系列の地方のスーパーで万引きを捕まえる仕事についている。
平田はますみに失くした娘を投影し、ますみは平田の善意にすがる。
平田は肺がんに冒されており、早く死にたいと願っていた。
ますみに金を渡し、生活を援助しようとする。
ところが、娘の死にますみが関与したのではという疑いがもたらされる。
後半はストーリーが一転する。


一気に読めるストーリーで、驚きの展開だが、あまり救いがない。
たまには悪くないのだけど。