ラバー・ソウル

作者:井上夢人講談社文庫
裕福な家庭で育った鈴木誠は、ビートルズの評論を雑誌に寄稿している。
彼は非常に醜い容姿をしているため、人と会うことはなく、孤独に生活をしていた。
ところが雑誌の撮影で、モデルの美縞絵里と出会い、彼女に心を奪われてしまう。
ストーカーとなった誠は様々な手段でアプローチし、近寄る男を排除していく。
一方、絵里は誰かに見られていることに気付き、周囲に助けを求める。
ところが、絵里を守ろうとした男性が殺害され、さらなる恐怖にさらされる。
また、誠と絵里の周辺の人物の証言という形式でストーリーは進み、
合間にストーカー特有の身勝手な心情、異常な行動が彼の手記で綴られていく。
捕まった後の調書を取られているような誠の独白もあるが、ここがミソ。
スリルに満ちた展開で、気持ち悪いが一気読みできる。
最後のどんでん返しも見事。


ラバー・ソウル (講談社文庫)

ラバー・ソウル (講談社文庫)