パラドックス13

作者:東野圭吾講談社文庫
3月13日13時13分13秒にブラックホールの影響を受けたP13現象が起きるとアメリカからもたらされた。
日本政府は、具体的に何が起きるか想像もできず、発表は控えた。
ただ、警察には同時刻に行動を控えるように告げていた。
その時間、中国人の犯罪組織を追い詰めた管理官の兄と、現場の刑事の弟は行動を起こすが、銃撃に会う。
兄の久我誠也、弟の久我冬樹は意識を失っている時間に、東京は誰もいない世界になっていた。
車は事故を起こして、炎上している。つい最近まで人々が生活を行っていた形跡が残っていた。
人々はどこに消えたのか?兄弟は東京、銀座周辺で見つけた人を糾合する。
東京にいるのは9人と赤ん坊。
彼らの共通点は、13時13分13秒に命の危機にさらされていたこと。


原因を考える時間もなく、メンバーを大雨、地震が容赦なく襲う。
誠也はリーダーシップを発揮し、メンバーをまとめ、サバイバルを乗り切ろうとする。


人類が自分たちの前から消えたのではなく、自分たちが飛ばされたのではと考え始める。
以前の世界に戻るために、メンバーが選択したのは過酷な結論だった。


多作なベストセラー作家だが、SFのテイストが盛り込まれていて、面白かった。
ストーリー展開も抜群で、何よりサバイバルの描写が良い。
文庫本で500ページを超えるが、一気読みができる。
作者の発表作の中でも上位に位置づけられる面白さだと思う。


パラドックス13 (講談社文庫)

パラドックス13 (講談社文庫)