邪馬台

作者:北森鴻・浅野里沙子|新潮文庫
作者の北森氏が急逝したため、パートナーの浅野氏が完成させた作品。
民俗学者の蓮条那智が、歴史と民俗の謎を解くミステリの4作目。
1〜3作目は読んでいないが、文庫本の表紙と帯に惹かれた。


この作品は、タイトル通り、邪馬台国はどこにあったかという主題。
明治維新後の不可思議な鳥取県島根県の合併、そのどさくさで消滅した村。
その村の縁起を描いた不思議な伝説の存在。
骨董品屋と大学の民俗学研究室との交流。


面白い要素はそろっていて、展開もいい。
邪馬台国が製鉄と酒造を備えた国力があったという説にも説得力があった。


でも、美貌の研究家の蓮条那智の造形が、京極夏彦もどきであまり共感できなかった。
不機嫌で毒舌なのはいいのだけど、それ以外の描写が雑。


邪馬台 蓮丈那智フィールドファイル? (新潮文庫)

邪馬台 蓮丈那智フィールドファイル? (新潮文庫)