符堅と王猛

作者:小前亮祥伝社文庫
中国の五胡十六国時代で、前秦を興し、全土統一を果たそうとした皇帝と軍師の物語。
符堅は異民族の出身でありながら、民族間の融和を図り、共存を望んでいた。
王猛は漢民族の出身だが、符堅の理想に共鳴し、その異才を十分に発揮し、勢力を拡大する。
符堅は敵対勢力に勝利しても、むやみな殺生はせず、仁君として名声を高めていく。
南方にある漢民族東晋を併合すれば、中華統一となる前、王猛が病死する。
ここから綻びが生じ、淝水の戦いで100万の兵力で東晋に戦いを挑むが、わずか7万の兵力に敗れる。
この作品は命からがら逃げ延びる符堅が、それでも希望を捨てないシーンで終わる。
でも、エピローグの記述は残酷で、たった2ページで登場人物のその後が年表形式で書かれている。


五胡十六国時代を取り上げた小説は珍しいので、読んでみたが、そんなに面白くなかった。
Wikipedia符堅を読めば、この作品を読む必要はない。


苻堅と王猛: 不世出の名君と臥竜の軍師 (祥伝社文庫)

苻堅と王猛: 不世出の名君と臥竜の軍師 (祥伝社文庫)