冬の砦

作者:香納諒一祥伝社文庫
文庫本裏書
凍てついた早朝の高校校庭で、警備員の桜木が女子生徒の全裸死体を発見した。
元警官という経験を買われた桜木が真相を追うや、教師の学内不倫や用地売却を巡る理事会の軋轢などが浮上。
死んだ女子生徒がかつて経験した悲惨な事件による精神の傷は、今回の凶事に関わるのか?
元警官と現職刑事の攻防と友情、さらに繊細な筆致で心の深淵を抉る異色の警察小説!


謂れのない事件で警察を辞めた男と、彼が過去に付き合った女性教師。
DV被害者の施設で起きた殺戮事件と生き残った子供たちの心の傷。
学校法人を蝕むヤクザ組織。
この作者の作品はいずれも面白いが、なんとなくもどかしさが残る。
いつも傑作の一歩手前を書く作家だ。


冬の砦 (祥伝社文庫)

冬の砦 (祥伝社文庫)