阿佐ヶ谷ラプソディ

作者:又井健太|ハルキ文庫
文庫本裏書
世界放浪の旅から帰国早々、バックパッカーの溜まり場・高円寺で飲んでいたはずが隣町の阿佐ヶ谷で目覚めた蔵川楽観。
財布を失くし、無一文の彼は、無料クーポンつきのビラに誘われ「バー・ラプソディ」にたどり着く。
自称・天才発明家の老マスターに誘われ住み込みで働くうち、街の再開発に反対する風変わりな常連たちとの間に奇妙な連帯が生まれ・・・・・。


東大を卒業しながら、ニートを続ける太った中年男性。
言葉遣いを知らない総菜屋でアルバイトをする帰国子女。
音楽で身を立てようと、専門学校に通う20代後半の女性。
いずれも世間の常識から少し外れているが、彼らが街を変えていこうとする話。
問題を抱えた連中が足掻きながらも、楽観とともに活躍するファンタジー
作品の前後にちょっと凝った仕掛けがある。
世の中はそんなに思い通りにならないのだけど、希望を持たせる話ではある。


阿佐ヶ谷ラプソディ (ハルキ文庫 ま)

阿佐ヶ谷ラプソディ (ハルキ文庫 ま)