地下牢の女王

作者:大石圭光文社文庫
作家の小林は、熱狂的なファンから送られたファンレターの写真に目を奪われる。
銀座でホステスをしながら、作家を志望しているとつづられていた。
美貌の彼女に鼻の下を長くした小林は、コミュニケーションをとるようになる。
冴子というその女性の応募作品を読むが、才能の欠片もなかった。
離婚をしていた小林は、下心を隠せないまま、冴子の家を訪れた。
ところが、食事に睡眠薬を混ぜられ、地下室に監禁されてしまう。
冴子は、自分名義の小説を書くことを小林に強要する。


小林と冴子の密室劇で、「ミザリー」を彷彿させる内容だ。
小林に自らの身体の器官を切り落とすように命じるシーン。
冴子と肉体関係を渇望するようになる小林の変貌。
読んでいるうちはそこそこ面白いが、読み終わるとがっかり。
この作家の特徴が現れた作品。

地下牢の女王 (光文社文庫)

地下牢の女王 (光文社文庫)