スカウト・デイズ

作者:本城雅人|PHP文藝文庫
プロ野球球団「ギャラクシー」を3年で解雇となった久米純哉はスカウトに転身した。
チーフスカウトは堂島で、数々の伝説を残し、その手腕は「堂島マジック」と呼ばれていた。
例えば、指名後に入団拒否をした選手に、ニッパーを渡し、「爪を全部はがせ」と迫ったり。
堂島の下につけられた久米は、他球団のスカウトとの騙し合いを目の当たりにする。
堂島には教えられることが多く、スカウトとしての着眼点を叩きこまれる。
一方、新聞記者の島岡はかつて堂島が人気球団のGに移籍するという誤報を出し、左遷された経歴がある。
再び野球記者として復帰し、堂島を調査しはじめる。
野球ブローカー、アマチュア有力監督へのキックバック
「Dライン」と呼ばれる情報網の存在。


有力選手へのアプローチや、他球団に対する出しぬきや妨害は巧妙だ。
非情とも思われる堂島が、球団を裏切り、ライバル球団に移籍する情報も最後にどんでん返しがある。
騙し騙され世界を生々しく描いた作品。


スカウト・デイズ (PHP文芸文庫)

スカウト・デイズ (PHP文芸文庫)