光媒の花

作者:道尾秀介集英社文庫
第23回山本周五郎賞受賞作品の連作集。
「隠れ鬼」は認知症を患った母と暮らす印鑑屋の男が、少年のころに犯した事件を振り返る話。
「虫送り」は妹にいたずらをしたホームレスを殺害する小学生の兄の話。
「冬の蝶」は昆虫の研究で身を立てようと考える中学生の初恋の話。
「春の蝶」は老人と孫が暮らすアパートに泥棒が入る話。
「風蝶花」は姉の病気を心配するトラックドライバーの弟の話。
「遠い光」は家庭内の問題を抱える生徒を心配する教師の話。
それぞれの話が連動していて、面白い。
ただ、少し齟齬もあったのは残念だし、これが賞をとるのはどうなんだろう?
賞を前提にすると、もっと面白い作品がある。


光媒の花 (集英社文庫)

光媒の花 (集英社文庫)