ヤッさん

作者:原宏一|双葉文庫
会社をリストラされ、派遣会社からも切られたタカオは、20代なのにホームレスになった。
銀座近くの公園で段ボールで寝ていると、見知らぬ中年男性にたたき起こされる。
「ヤッさん」と名乗るその男性は、タカオを築地市場につれていく。
ヤッさん自身もホームレスだが、食に精通し、市場と料理人の間を取り持つコーディネーターだった。
身体を鍛えつつ、トラブルを解決するヤッさんと行動を共にし、タカオは成長していく。
食の世界で起きる様々なトラブルは面白いし、脇役となる人物の描写も上手い。
謎めいたヤッさんの生い立ちが徐々に明らかになっていくのも良い。
他人との関係がそんなに簡単に友好的になるものではないし、現実的でない。
人情モノは好きではないから、あまりのめり込めなかったが、面白い内容ではある。


ヤッさん (双葉文庫)

ヤッさん (双葉文庫)