いじめの鎖

作者:弐藤水流|幻冬舎文庫
東京の街中で、手首を切断された死体が発見される。
遺体のそばには、不思議なダイイングメッセージがあった。
直後に大阪でも起きた殺人事件でも、同じように遺体の一部が損壊され、メッセージが残っていた。
二人は山形県出身で、同じ小学校を卒業していた。
事件は、30年前の山形県でイジメにあっていた少年の復讐かと思われた。
だが、被疑者は失踪し、さらに殺人事件が発生する。
いずれも、山形でイジメに加担をしていた生徒だった。


警察は失踪した被疑者を追うが、意外な真相にたどり着く。
さらに、警察内部の連携の悪さも描かれる。
足の引っ張り合いといじめを受けた敏腕刑事と、事なかれ主義の上司。
このあたりはギャグの要素が強い。
ただ、ストーリーはミステリにしては中途半端だった。
ミステリにさりげなく、ギャグを入れようとする作者の姿勢は評価したい。
まだ、キャリアの浅い作家なので、次作にも期待したい。


いじめの鎖 (幻冬舎文庫)

いじめの鎖 (幻冬舎文庫)