もぐら 乱

作者:矢月秀作|中公文庫
警察をドロップアウトしたアウトローの影野竜司が活躍する3作目。
前作で超法規措置で刑務所から出された影野は、新宿のトラブルシューターの仕事に戻った。
ところが、新宿で中国人組織にきな臭い動きがあり、影野は再び警察組織にアドバイザーとして復帰する。
今回の作品は、中国人マフィアの世代交代によるトラブルで、新勢力の殺し屋達が暗躍する。
ただ、彼らの不幸な生い立ちと、並はずれた強さもありきたりだ。
殺戮は進み、華僑の長老やヤクザを殲滅し、ついに影野たちとの激突が始まる。
深町秋生誉田哲也の作品にあるような扇情的で残酷な描写がないから刺激には欠ける。
また、ストーリーに真新しさはないが、全体的にテンションは高く、面白い。
新作が出れば単行本を買ってでも読みたいとは思わないが、次作も文庫本なら買って読みたい。

もぐら 乱 (中公文庫)

もぐら 乱 (中公文庫)