ツナグ

作者:辻村深月新潮文庫
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれる「使者(ツナグ)」
見た目は高校生だが、彼に連絡を取ると、死者に連絡をとり、セッティングをしてくれる。
最初の依頼主は、自殺を考えているOLで、突然死したアイドルに会いたいと申し出る。
面識のないアイドルが、暗いOLに会ってくれるのだろうか?
この作品は連作集で、次の話は、田舎の長男が、亡くなった母に会おうとオーダーする。
自分の息子のふがいなさと、言うことを聞かない親族に対して、不満を言いたい。
その次の話は、自分の嫉妬から、事故で死んでしまった友人に会いたいと願う女子校生。
その次の話は、「使者(ツナグ)」の生い立ちを描いた話で、前の3つの話を織り込んでいる。
若くして直木賞を受賞した女性作家の作品で、話の組み立てはうまいと思った。
この作品は吉川英治新人文学賞の受賞作だが、感動させようというあざとさを感じた。
面白い作品だけど、「使者(ツナグ)」のエピソードは短い方がよかった。
まあ、他の作品もいずれ読もうと思った。


ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)