衆愚の果て

作者:高嶋哲夫幻冬舎文庫
大場は、無職の27歳だったが、比例代表衆議院議員になった。
2千万円の年収に、都内の一等地の宿舎。
一気に人生のステップが上がったような気分になった。
一方で、同期の議員が蓄財に励んでいるのをみて、自分はどうやって奉仕するか考える。
地元の友人の相談を受け、外国人看護師のハードルを低くするための法案をだそうとする。
でも、それは、与党が見送った内容だった。
同僚議員を見て、大場は次の議員生活は無いものだと考え、自分の考える方法を実現しようとする。


杉村タイゾーをモデルにしているのだが、こっちの主人公はタイゾーよりはるかにマシ。
大場の行動には共感を覚えるが、大きな動きはない。
派閥のリーダーにせいぜい逆らうくらいだ。
リアルだが、末端の政治家の取れる行動はこんなモノなのだろう。
話としてはそんなに面白くないが、保身を考える議員はリアルで、面白い。



衆愚の果て (幻冬舎文庫)

衆愚の果て (幻冬舎文庫)