月曜の朝、ぼくたちは

作者:井伏洋介|幻冬舎文庫
里中正樹は、大学を卒業し、信用金庫に就職したが、先輩に誘われ、人材派遣の会社に転職した。
転職した会社では、マネージャーとして、部下の面倒をみる立場になるが、結果が伴わない。
降格の危機に立たされるが、大学時代のゼミの仲間の八木が店を出すとのことで、オープニングパーティへ。
そこには、大学時代のゼミの仲間がいた。
ゼミのリーダーだった来生。上昇志向の強かった北沢は銀行員になっていた。
亀田はフリーターのまま、ブクブクと太っていた。
一時、正樹と付き合っていた栞は、出版社に勤めていた。
久々に再開したゼミの仲間だが、家族を持つ来生はガンに冒されていた。
北沢は美しくなった栞を顧客の宝石店経営者に紹介することを考える。
栞は正樹のことを忘れられないが、正樹は現在の自分に自信を失っている。
八木の店で再開したことで、6人は再び、以前の付き合いを取り戻す。


なかなかいい感じの作品だが、読み終えると、リーダーの来生には存在感がなさすぎる。
また、正樹の煮え切らなさと、栞の優柔不断さも仲間に迷惑をかけている。
成長したのは亀田と、正樹の純情を知った北沢なのかな。
こういう人間関係って日常でもころがっているが、小説の結末としては、ほろ苦い。
人生って思い通りにならず、そこから折り合いをつけようとするシーンはリアルだ。
すっきりしないけど、これはこれで面白い。


月曜の朝、ぼくたちは (幻冬舎文庫)

月曜の朝、ぼくたちは (幻冬舎文庫)