太陽の村

作者:朱川湊人小学館文庫
父親の定年を祝うハワイ旅行に同行したニートで肥満の坂本龍馬
乗っていた飛行機が墜落し、不思議な島に打ち上げられる。
そこは、平安時代鎌倉時代の日本の村のようだった。
電気・ガス・水道はなく、狩猟と農業で生計を立てている村人たち。
島を支配する地頭と、配下の幻術使いと強面の侍。
地頭を狙う桃太郎という少年と、金太郎という悪ガキ。
デブでニートの龍馬は村長の家に厄介になるが、3日後から強制的に働かされる。
スリムになっていく龍馬は、村人たちに「走れメロス」の話を披露する。
娯楽や余興の全くなかった村人は、龍馬の話術に感動する。
桃太郎は相変わらず地頭を狙い、騒動に巻き込まれた龍馬は、地頭の姿を目撃する。
どこからみても西洋人だった。にもかかわらず、島の中は中世の日本そのものだった。
だが、道端に煙草の吸殻が落ちているなど、おかしなところが見えてくる。


この作家は、コラムを読むとギャグの要素を感じたが、小説では初めてだった。
謎は結末に明かされるが、設定が設定だけに、これは陳腐だった。
でも、話は面白かった。


太陽の村 (小学館文庫)

太陽の村 (小学館文庫)