ロード&ゴー

作者:日明恩双葉文庫
赤羽台消防出張所で、消防車の運転手だった生田は、人事異動で、恵比寿の消防署に赴く。
そこで、生田は消防車から、救急車への配置転換を命じられる。
消防隊員になる前は、足立区の暴走族の特攻隊長として大暴れしていた。
消防署の運転手になってからは、誰よりも道の研究をし、運転技術に磨きをかけていた。
消防車から救急車への配置転換は不本意で、渋谷周辺の道を覚えるのは一苦労だった。
消防車の出動は、非常識な通報者や、受け入れ先の病院が決まらず、ストレスがたまることが多い。
生田は、冷静沈着な隊長の筒井、美人だが融通の利かない救急救命士の森と3人でチームを組んでいた。
渋谷の路上で倒れている男性を発見して、救急車に確保するが、男はナイフを手にして、森を人質に取る。
同じころ、テレビ局各社に救急車が乗っ取られ、犯人は悠木という男だと連絡が入る。
さらに、悠木は家族を人質にとられており、犯人から遠隔操作されているとのこと。
悠木は、携帯の主犯からの指示を受け、期限を設け、生田に様々な場所に行くように指示を出す。
報道各社の邪魔をかいくぐり、目的地に向かう生田。


この作品は「鎮火報」「埋み火」のスピンオフ作品だが、面白かった。
生田の卓越したドライビングテクニックと、男気が魅力的だし、筒井と森も責任感にあふれている。
登場人物を魅力的に見せるテクニックに長けた作家で、ストーリーも上手い。
ただ、作品の犯人の動機はしっくりこない。これは警察シリーズの2作目でも思った。


ロード&ゴー (双葉文庫)

ロード&ゴー (双葉文庫)