透明人間の納屋

作者:島田荘司講談社文庫
昭和52年の北陸の地方都市。母子家庭のヨウイチは隣の印刷所を経営する真鍋と知り合いになる。
宇宙の不思議な話、透明人間は実在するという話を真鍋から聞き、好奇心を刺激される。
ヨウイチの母は真鍋の印刷所に近づくのを嫌い、真鍋の印刷所には怪しげな人物が出入りしていた。
真鍋はヨウイチに、透明人間になる薬を作っていると告げる。
その後、真鍋の知り合いの女性がホテルから失踪し、刑事事件となる。
完全な密室で蒸発した女性は、少し離れた海で死体で見つかる。
真鍋はヨウイチを地上の楽園に一緒に行こうと誘うが、ヨウイチは断り、真鍋は船で旅だった。
ヨウイチは大人になり、26年後に真鍋の手紙を読むことになる。


真鍋は北朝鮮工作員であることは早い時期に予想できるし、密室の謎も陳腐だった。
話の導入部分はひきこまれるが、密室の事件後は面白くない。
全て読んでいるわけではないが、最近の作品はちょっとつまらない。
占星術殺人事件」があまりにも衝撃的で、90年代の世界を舞台にしたスケールの大きさを思うと寂しい。

透明人間の納屋 (講談社文庫)

透明人間の納屋 (講談社文庫)