家政婦トミタ

作者:高田侑|角川ホラー文庫
介護用品の会社を設立した小笠原明は、掘り出し物の中古住宅を購入する。
中古と言っても1億円を超える豪邸だった。
妻の美樹は大手食品会社に勤務していて、順調に昇進しており、ローンの支払いは問題なかった。
共働きで、家事をしてもらう人を雇うことにした二人だが、最初の人は粗相も多く、新しい人を雇った。
美樹の友人の紹介で、富田という家政婦を雇うことにした。
富田は美しく、そつなく家事をこなしたが、家族の周りに不審なことが起きるようになる。
明の隣家の偏屈な母親と無職の中年の息子。富田の後をつける不気味な老婆。


富田の悪意は早くから明かされているので、家族が早く気付けばとハラハラさせられる。
また、一見悪役に見える隣家の親子が実はすごくいい人だったというギャップも良い。
面白いホラーだったが、結末に少し物足りなさが残る。もうひとつクライマックスがあればよかった。