PRIDE(池袋ウエストゲートパーク10)

作者:石田衣良|文春文庫
池袋ウエストゲートパークもこれで10作目。最初の作品から10年以上経っている。
主人公のマコトは相変わらず、果物屋で母親の手伝いをしている。
池袋の王のタカシもガキの王のままだ。軽妙な語り口で、話は面白い。
普通なら、出版と共に作中人物も歳をとっていくのだが、こち亀のようにとらえたらいいのかな?
ただ、その時代の旬の話題を取り上げているので、シフトは難しいように思う。
とりあえず、これで第一部が終了とのこと。


この作品もいつも通り4作が収録。
「データBOXの蜘蛛」は、新興ゲーム会社の重役が紛失した携帯電話を取り戻そうとする話。
鬼子母神ランダウン」は、自転車通勤の流行で、事故に会った中学生の犯人を探す話。
「北口アイドル・アンダーグラウンド」は地下アイドルに接近するストーカーを排除しようとする話。
表題作は、広域指名されたレイプ犯を追い詰める話で、マコトとタカシの活躍はここで一段落。
とりあえずは第一部終了。
あまりにも世相に旬なテーマを追っていたから、小説としては非常に面白いく、鮮度も高かった。
流石に10年続くと、どこかでリセットが必要だろうな。