6TEEN

作者:石田衣良新潮文庫
直木賞を受賞した「4TEEN」の続編。
東京の佃、月島に住むテツロー、ナオト、ダイ、ジュンは16歳になった。
テツローは都立の普通科に進学し、ナオトは大学までエスカレータ出来る私立に進学。
ダイは定時制、ジュンは東大に年間に3ケタの実績にある進学校に進んだ。
前作から2年経つが、4人は変わらず、地元の人も寄りつかないもんじゃ屋をアジトにしている。
そのもんじゃ屋のお婆の娘が、出戻りでもどってくる話からスタートする。
テツローは性同一障害の男に言いよられ、ダイの同棲相手のユウナはダイに対して不審感を持っている。
早老症のハンデを抱えるナオトは、気になる女性を見つけた。
日常の些細な変化を物語として紡ぎだすのは流石だが、前作ほどの面白さはない。
テツローのモノローグで話は進むが、これは池袋ウェストゲートパークと同じ手法だ。
気の利いた台詞も似ているが、話はこちらほど劇的ではない。


この人、東京を舞台にした小説を書いていて、東京出身とのことだが、東京のどこで育ったのだろう?
それぞれの作品の舞台を歩いたことがあるのだが、そんなにスムーズに移動はできない。
月島、佃の中学生が銀座も勝手知ったる土地のように行動できるのも現実的ではない。
話は面白かったけど、少し引っ掛かるモノがあった。


6TEEN(シックスティーン) (新潮文庫)

6TEEN(シックスティーン) (新潮文庫)