迷宮警視正

作者:戸梶圭太|徳間文庫
定時制高校に通う生徒が殺害され、教師の小山の元に怪しげな連中が訪れる。
星乃神警視正と名乗る、光を嫌うドラキュラのような男は、部下を使い、調査を始める。
聞きこみの途中、頭の悪い生徒に対して、人間性を叩きつぶすような暴言を吐く。
この辺りは作者の真骨頂で、被害者の知り合いにおかしな注射をしたり、ブラックジョークの極みだ。
星乃神は強引な捜査方法で、警察内部でも恨みを買っており、部下たちが襲撃される。
教師の小山は熱血教師だが、彼が見る定時制の学生の描写は悪意に満ちている。
これはあくまで、作者の表現によるもので、小山だけはまともな人物として描かれる。
小山の協力もあり、警察内部で暗闘を続けながら、犯人に迫る星乃神。


相変わらずの作風だが、久々に読むと面白く思い、未読のものにも手を伸ばしたくなる。
闇金ウシジマくんに出てくるどうしようもない人物(債務者)をおもちゃにしている印象だ。


迷宮警視正 (徳間文庫)

迷宮警視正 (徳間文庫)