海鳴

作者:明野照葉|文春文庫
バブル時代に東京で青春時代を謳歌した良枝は、ある事件をきっかけに東京を離れる。
その後、鎌倉の旅館の女将になり、子供を二人生み、順調な生活を送っていた。
中学生になった長女の恵の歌声を偶然に聞いた良枝は、昔の夢を再びつかもうとする。
恵を歌手として売り出すため、かつてのつてを使い、上京する。
娘を売り出すためには、金がかかる。
良枝は、東京を逃れるきっかけとなった事件の関係者に接触する。
金主がつき、恵は順調なデビューを果たすが、良枝との関係がだんだんと悪くなる。
そのうちに、良枝の過去を知る人物が、スターになった恵を狙い、強請りに現れる。
鎌倉の旅館からは家族を見捨てた母親として、絶縁に近い状態になってしまう。
スターになった恵にとって、母の良枝は邪魔な存在でしかない。
恵が有名になったことで、良枝には過去の知り合いが群がってくる。
金主に排除を求めるが、過去の事件の負い目もあり、強く出ることができない。



サスペンスの筋立てとしては、非常に面白いシチュエーション。
でも、この作者にしてはそんなに面白い作品ではない。



海鳴 (文春文庫)

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