ストロベリー・フィールズ

作者:小池真理子|中公文庫
45歳の女医の夏子は、出版社社長の智之と結婚して7年になる。
夏子は後妻で、前妻の娘の女子大生のりえと3人で鎌倉に暮らしていた。
夏子はりえとの関係に気を配りながら、表向きは平和で贅沢な生活を送っている。
そこに現れたりえの友人の兄の平岡旬が、3人の生活に亀裂をあたえていく。
自分が結婚した後は、浮気はしていないと確信していた智之の不倫。
りえは婚約者がいるのに、旬に接近しはじめる。
一方、旬は夏子に対してさりげなく、積極的に近づいてくる。
家族の崩壊に関与する旬は、夏子を愛しているのか?
題名はビートルズの曲にちなんでいて、ロックバーで働く旬と夏子の会話が面白い。
お金があれば、人間関係も何とか修復もできるのかなと考えさせられる作品。
20代前半の男性が、いくら綺麗といっても40代の女性を積極的に愛せるのは現実的ではない。
もやもやとした主人公の心情の移り変わりには共感を覚えるけど。