ふたり狂い

作者:真梨幸子|ハヤカワ文庫
人気女流作家の作品に、自分自身のことが描かれていると思い込んだ青年が、作家を刺す。
その裁判から始まる連作集。
デパ地下の総菜売り場で起きる異物混入事件。
マンションの給湯器のトラブルにまつわる殺人事件。
ネットの自作自演により、勤めている会社を追われそうなトラブルに巻き込まれる話。
1話目は狂った人間を描いているが、その後の話は、普通の人が追い詰められていく。
その背後には、マリコという存在があり、最後まで読むと、冒頭の話につながる。
構成力は上手いが、今までの作品に比べると、少し散漫な印象。


ふたり狂い (ハヤカワ文庫JA)

ふたり狂い (ハヤカワ文庫JA)