蘭陵王

作者:田中芳樹|文春文庫
六世紀、南北朝時代の中国を舞台にした歴史小説
北斉は西に周、南に陳という国と対峙していたが、国内は腐敗していた。
そんな現状を打破するため、皇族の蘭陵王が戦場に立つ。
あまりの美貌を隠すために仮面をつけるが、戦場では無敗を誇る。
だが、皇帝の嫉妬により、蘭陵王は次第に自分の居場所を失っていく。
美貌もさることながら、戦上手で、高潔な人格で、悲劇的な最後を遂げた高長恭を描いた作品。
今までにあまり取り上げられなかった中国の武将だが、小説としては物足りなさを感じた。
この作家は端的に話を進めていくので、素材は良くても、劇的さを感じることがない。


蘭陵王 (文春文庫)

蘭陵王 (文春文庫)