デッドクルージング

作者:深町秋生宝島社文庫
2015年の東京。貧富の差が拡大し、治安が極端に悪化していた。
また隣の半島の独裁国家は体制が崩壊し、脱北者の受け入れを始めていた。
政権を左右する大物の占い師は、右翼団体民兵の組織に作りあげていた。
民兵のリーダーの晃は、命じられるまま、六本木のクラブを襲撃し、偽札作りの中国人を誘拐する。
その際に銃を乱射し、朝鮮人の女性が流れ弾に当たり、死亡する。
女性の姉のファランは、北朝鮮の特殊部隊出身で、妹の仇を討つため、晃の行方を追う。
中国人組織のリーダー汪も偽札作りをとり返すために、晃を追い詰める。
冒頭の戦闘シーンから、晃の過酷な生い立ち、ファランによる警察官への拷問。
バイオレンスなシーンの描写は際立っており、スピード感もあり、かなり面白かった。
晃の仲間たちのイカれている人物描写もアクセントになっている。
刺激の強い作品だし、この手の作品はもっと読みたい。


デッドクルージング (宝島社文庫)

デッドクルージング (宝島社文庫)