禁断

作者:明野照葉|中公文庫
惨殺された親友の交友関係を調べていると、不思議な女性に突き当たる。
彼女は名前も出自も、住所も偽り、水商売やファミレスでバイトをしていた。
親友の死に関わっていると確信した邦彦は、彼女のことを調べ始める。
郁子という名前がわかり、尋常ではない両親の存在が明らかになるが、邦彦は郁子に惹かれ始める。
郁子に関わった男性は死亡したり、失踪したりしていた。その陰には郁子の両親がいた。
邦彦は郁子の両親の異常さを恐れつつも、いつしか郁子に惹かれていく。
邦彦が郁子と一緒になるためには、郁子の親と対決しないといけない。
郁子と深い中になった邦彦は郁子の両親と対峙する。
悲劇のヒロインを救い出そうとした邦彦だが、意外な結末を迎える。


この作家の心理サスペンスはとても面白い。
邦彦と郁子の恋愛が上手くいきそうな結末だが、作者の悪意が待ち構えている。
後味の悪い作品だが、ストーリーは上手く作られている。


禁断 (中公文庫)

禁断 (中公文庫)