暴力団

作者:溝口敦|新潮新書
ヤクザのルポの第一人者が描いた現在のヤクザ事情。
山口組の現状から、関東連合や台湾のマフィアまで内情を書いている。
ヤクザになろうとする若者が減り、ヤクザ社会も転換点を迎えている。
旧来のシノギがことごとく違法となり、ヤクザの懐事情の厳しさがわかる。
通信機器を使った詐欺も、ヤクザとは異なる半グレが行っている。
ヤクザが法で規制されるとマフィア化すると言われているが、筆者は否定する。
ヤクザと警察は持ちつ持たれつの中だからだ。
この本で面白かったのは、6代目のお膝元の弘道会の動きだ。
警察には徹底的に反発し、幹部しか把握していない「十仁会」という組織の存在。
誰がメンバーかも秘密で、警察や対立組織の内情を密かに探っているという。
ただ、ヤクザになろうとする人は確実に減っていくだろうということはわかる。


暴力団 (新潮新書)

暴力団 (新潮新書)