一手千両

作者:岩井三四二|文春文庫
18世紀半ば、難波の米の取引を題材にした市民の活躍を描いた歴史小説
米の仲買を生業にする吉之介は、幼馴染の藤吉が女郎と心中した現場に出くわす。
藤吉には自殺するような理由はなかったし、何かを調べていたようだった。
奉行所は早々に心中と決めており、吉之介は他の幼馴染とともに独自に調査を開始する。
当時の世相や習慣を丁寧に描き、相場の面白さもわかりやすい。
題名にある通り、最後は藤吉を殺害した犯人と対決し、相場で大勝利するが、結末はほろ苦い。
それなりに面白いが、人物造詣がのっぺりしていて、イマイチわかりにくい。