超怖いほんとうの話

作者:さたなきあ|ワニ文庫
忌み地、忌み山で地鎮祭を行わなかった場所で起きる怪異。
使用禁止のトイレから戻ってくるノック。
無人の駐車場にポツンと置かれた車から人の気配。
一家惨殺の無人の家から漏れる明かり。
窓という窓に顔が張り付いて見える借主がつかない家。
皮膚が裂けて生肉が覗くまで手洗いを止めることの出来ない男性。
予期せぬ事故で、足がちぎれ、腕を失っても一瞬気付かない人たち。
本屋で遭遇した失礼な対応をする幽霊店員。


今回の作品は少しパワーダウンしたが、それでも面白い怪談を書く作家だ。
ワニ文庫というコンビニで売っているような本だから、あまり評価されていないかもしれない。
「その話、どこかで聴いたことがある」という話がないのが、一番評価できる。
また、短編でも新耳袋のように2ページで終わるモノはなく、最低でも10ページ以上ある。
中山市朗、福澤徹三と同列に語られてもおかしくない語り手だ。

超怖いほんとうの話 (ワニ文庫)

超怖いほんとうの話 (ワニ文庫)