深夜にいる

作者;香納諒一|ハルキ文庫
ハードボイルドの長編を発表してきた作家の短編集。
「道連れ」は亡父の飼い犬との遭難を、息子と犬の視点から描いている。
「シャチふたたび」は島に残った警察官が、かつて暴れ者だった仲間を迎える話。
「水曜日の黙祷」は死にかけた依頼主のため、暗殺に向かうヒットマン達の会話劇。
「深夜にいる」は深夜のDJにかかってきた自殺コール。その相手はかつての同僚。
「声の関連」は誘拐犯に利用されることに気づく万引き女の話。
「アドリブはお好き」は映画制作から足を洗った男に、かつての相棒が訪れる話。
寡作だが、面白い作品を発表しているので、楽しみにしていたが、短編はイマイチだな。
でも、いままでに読んだ長編の面白さに比べてのことで、内容は悪くはない。
この作家の魅力が感じられるのは「深夜にいる」と「アドリブはお好き」かな。


深夜にいる (ハルキ文庫 か 9-3)

深夜にいる (ハルキ文庫 か 9-3)