中年前夜

作者:甘粕りり子|小学館文庫
40歳前後の3人の女性たちが、老いていくことに抗おうとする話。
真澄は専業主婦で、夫と中学生の娘がおり、表面上は幸せだが、このまま朽ちて行くことに不安があった。
蘭子は出版社の編集の契約社員で、ヌード写真の企画をしながら、ホストクラブにハマっている。
夕子は美容クリニックの事務長で、経営者の愛人だが、お見合いパーティに顔を出している。
3人は料理教室で一緒になり、意気投合する。
一緒にお茶を飲み、食事をし、互いの悩みを話し合う。
3人とも社会的なステータスは低くない。
女性として枯れそうな事態に直面するのを敢えて避けようとしていた。
でも、3人はそれぞれの停滞感を打開するために行動を起こす。
真澄、蘭子、夕子がそれぞれの経験をするのだが、打算と妥協があり、妙にリアルだった。
現実的でどこにでもありそうな話だが、面白い。

中年前夜 (小学館文庫)

中年前夜 (小学館文庫)