池袋ウェストゲートパーク

作者:石田衣良|文春文庫
直木賞作家の石田衣良出世作でドラマ化にもなった人気作品。
池袋を舞台にした不良少年たちを描いた小説で、舞台装置としては良い。
主人公は工業高校を卒業して、家業の果物屋を手伝う少年。
不良にも一目置かれるが、どのグループにも所属せず、様々な問題を解決していく。
連作集で、何となく鼻につく嫌味な部分もあったが、単純に面白いと思った。
有名な小説なので、内容はWikipediaで上手くまとめられている。
池袋は埼玉県民のホームグラウンドだと聞いたことがある。
自分も池袋は、東京の中では埼玉や地元の人が集まる街だと思っている。
新宿や渋谷に比べると、人の歩き方が雑で、大阪に近い雰囲気を感じる。
東口も西口も地方都市を感じるが、街の趣は小説のように確かに異なる。
どちらも田舎臭いのだけど、ごった煮状態の東側に比べ、西側は少しだけ洗練されている。
今は、不良少年が跋扈する時代ではないような気もするが、この小説の舞台にはマッチしている。

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)