ゴールデンスランバー

作者：伊坂幸太郎｜新潮文庫
首相の金田が仙台で無人のリモコンヘリで爆殺された。
元宅配便のドライバーの青柳は国家権力から濡れ衣を着せられ、犯人として、追われることになる。
首相暗殺の直前、青柳は親友の森田から、陰謀に巻き込まれることを示唆されていた。
森田も暗殺事件と同時に爆殺されてしまう。
仙台には監視カメラがいたるところに設置され、青柳の行動は監視されていた。
簡単に逮捕されそうになるが、大量殺人犯など不思議な地下支援者が現れる。
青柳は仙台から脱出し、潔白を晴らそうとするが。

相変わらず、伊坂幸太郎は仙台が好きだし、警句めいた台詞回しが多く、それが鼻につく。
ただ、この作品には非常にいいセリフもあるし、ストーリーはテンポがよく、面白かった。
最初の部分に事件のその後が描かれ、その後に本番スタートという構成もよかった。
いくつかの賞を獲ったのも納得できる内容だった。
依然としてデビュー当時からの伊坂ワールドはまだ継続しているのが少し残念。
新境地を描く気はないのだろうか？作家としての力量は十分あるのにな。

ゴールデンスランバー (新潮文庫)