指し手の顔(上・下)

作者:首藤瓜於|講談社文庫
元関取が、街中で大暴れし、多数の犠牲者が出て、そのまま逃亡した。
関取には精神科への通院歴があった。
同様に、精神科で治療を受けた患者が突然暴発する事件が多発する。
精神科医の真梨子は、何者かが患者に特殊な治療を施しているのではと疑う。
その後、精神病患者をたらい回しにしていたブローカーが惨殺される。
同時に近くにいた刑事二人が、内臓を引き出されて殺されてしまう。
街は精神病患者に対してヒステリーを起こし、パニック状態となる。
そんな中、かつて連続爆破事件でにぎわした鈴木一郎が容疑者として浮かび上がる。


サブタイトルに「脳男?」とあるが、この作品は10年程前に江戸川乱歩賞を獲った作品の続編。
「脳男」は面白く読んだ記憶はあるが、ストーリーは忘れていた。
この作品を読むため、もう一度、あらすじだけでも読み返そうと思ったが、処分してしまったようだ。
前作のストーリを思い出しながら、読んだが、面白かった。
でも、前作を読んでいないと、この作品はスムーズには読めない。
前作から10年も経ち、続編が出るのは、アンフェアというより、読者のことを考えていない。
この作品は「脳男」を読んでいないと、面白さは半減する。
?を出すのなら、もう少し早い時期に出すべきだった。

指し手の顔(上) 脳男2 (講談社文庫)

指し手の顔(上) 脳男2 (講談社文庫)